微生物分類同定試験
環境微生物モニタリングの検出微生物、製品や工程由来の検出微生物は分類同定試験及び菌叢(きんそう)把握と積算により、微生物汚染発生時の問題解決へのアプローチ、製品品質異常時の参照情報など有用なデータとして蓄積することが可能です。
KEA management(キア マネジメント)では、検査単体を行うサービスとは異なり、GMP/QMSエリアにおける微生物管理を目的とした各種分類同定試験及びデータ蓄積を行っております。管理エリア内の微生物汚染発生、具体的制御が必要な場合はぜひご利用ください。
分類同定試験(表現型による分類)
検出された微生物はコロニー単体において引き出せる情報はわずかです。純粋分離後、簡易的な試験により幾つかの情報を引き出し表現型に基づく分類を行います。遺伝型に比べて学名レベルの同定精度は下がりますが、多数の検体の傾向を掴み積算するためには適しているアプローチです。
試験項目/ご報告
・純粋分離試験
→ 微生物混在プレートから目的となるコロニーを単離、培養
・ドメイン確認
→ 顕微鏡観察による細菌/真菌(糸状菌、酵母)の識別
・表現型試験項目1次鑑別
→ 細胞形態:顕微鏡による形態観察及び写真記録
→ グラム染色性:
→ Catalase生成能
→ Oxidase生成能
→ 生育酸素条件
→ 糖源の資化性
→ その他(必要に応じて、運動性、胞子形成、ガス生成など)
・表現型試験項目2次鑑別(細菌分野)
→ シスメックス・ビオメリュー社製 APIを使用
・試験項目の結果は、
1次鑑別:細菌分類学書Bergy’s Manual of Systematic Bacteriologyを用い、同書分類体系に沿ったご報告
2次鑑別:APIデータベースによるID値のご報告
分類同定試験(遺伝型による系統分類:細菌)
純粋分離した菌株に対して、遺伝子の塩基配列を元にした系統分類を行います。16S rRNA遺伝子の塩基配列の上流領域500bpの解析、国立遺伝学研究所内のDDBJ:DNA Data Base of Japanライブラリーとの相同性検索を行い、近縁上位種を含む系統樹を作成します。正確な種レベル同定には別途試験が必要になりますが、検出菌株の類縁性と配列ベースによるデータ積算が出来るため、長期的な微生物管理を行う上で極めて有効なアプローチです。
なお、より精度が高い配列情報が必要な場合、16S rRNA遺伝子のフル領域の配列解析を行います。
試験項目/ご報告
・純粋分離試験
→ 微生物混在プレートから目的となるコロニーを単離、培養
・ドメイン確認
→ 顕微鏡観察により細菌確定
・16S rRNA遺伝子の塩基配列解読
→ 指定プライマーによる領域増幅
→ ABI PRISM 310 genetic Analyzerによる配列解析
→ DDBJデータベースとの相動性検索
→ 系統樹作成
・試験結果は、近縁上位種及び指定細菌を含む配列テキスト、各種との相同性値、系統樹を含みます。
試験ご依頼とご報告の流れ
試験開始前にお打ち合わせ及び仕様/お見積りの発行を行います。内容をご確認頂き、ご了承を持って試験開始となりますのでお気軽にお問合せください。
(青字:お客様側、赤字:KEA managemnet(キア マネジメント)側)
・お問合せ(ホームページフォーム又はメールにて)
・試験項目のお打ち合わせ
・仕様書/見積書の発行
・発注のご依頼
・試験スタート
・適宜経過のご報告
・試験終了のお知らせ/結果速報のご報告
・内容のご了承
・ご報告書/ご請求書の発行