菌叢解析/データベース
厳密な微生物管理が行われる無菌操作法による無菌医薬品の製造ライン、高い清浄度区域において検出された微生物、異常値として検出された微生物は、分類同定が行われます。簡易的な試験であれば自社品質管理部門においても遂行可能になりますが、学名を含む正確な同定、複数菌種の類縁性、由来、具体的な制御方法などについては、専門的なアプローチが必要となり、通常は検査を専門とする外部機関へ分析を委託する形が一般的です。
臨床検査室認定のISO 15189、試験施設認定のISO 17025などを取得済みの検査機関であれば、試験系の精度については担保されます。
しかしならが「微生物管理の妥当性を評価」「異常検出における問題解決への足掛かり」などの点については、精度の高い分類同定をいくら繰り返しても有用なデータとはなりません。「異常検出→検査→学名の結果積算→次のアクションが打てない」、医薬品製造を中心とする微生物管理が行われる製造現場において、このような事例は数多く発生しています。
KEA management(キア マネジメント)では微生物試験系のアウトプットを微生物管理への直接的な有用データと位置付けております。特に菌叢解析/データベースに関しては、継続的適用により微生物管理の妥当性評価、異常傾向の早期発見へとつながる重要な項目です。高いレベルでの微生物管理を推進する現場に適応ください。
数値分類による傾向分析(菌叢)
検出された微生物について表現型5項目程度の簡易的な分類学的性質試験を行います(既に情報がある場合は、そのまま利用。情報がない場合は微生物分類同定試験をご利用ください)。
数値分類によりデンドログラム(系統樹)の作成を行います。系統樹にはクラスターごとの性質表記を行い、都度データの積算/アップデートを行います。
・検出エリア
・検出タイミング
・モニタリング担当者
・当日の環境負荷状況
(稼働状況/清浄化及び消毒状況)
・類似性株の慢性的検出
・初見株の複数ポイント検出
・細菌/真菌検出比率変化
・薬剤抵抗性微生物の検出
・特定管理微生物の検出
などの情報を菌叢の積算から確認、異常値の予測データとして利用することが可能になります。
微生物管理は、精度の高い分類同定試験が必要なのではなく、「通常と異なる傾向」を如何にして早期に掴むかがポイントです。これらの傾向をつかむことで、汚染の由来、エリア内の拡散状況を推察し、具体的な制御へのアプローチを立案いたします。
微生物管理の基礎情報として、ぜひご利用ください。