リスクマネジメント導入の基礎とヒューマンエラー因子の理解

ISO 9001:2015、医薬品GMP、再生医療GCTP、医療機器QMS/ISO 13485
化粧品GMP/ISO 22716、医療従事者対象
新設コース

 近年、リスクマネジメントの概念は様々な産業/業界において広く適応され始めています。
 品質マネジメントシステム要求規格であるISO 9001には以前よりこの概念が取り入れられており、2015年版改定において「6.1 リスク及び機会への取組み」として独立項目に格上げされました。また、各製造業界においてもこの概念は追従されており、医薬品業界の「ICH Q9:品質リスクマネジメントに関するガイドライン」「PIC/S GMP内の要求事項」、再生医療業界の「GCTP省令内の要求事項」、医療機器業界の「QMS省令内の要求事項」「ISO 13485:2003/2016」などに要求記載があります。

 「リスクマネジメント」の概念を適応していくためには、実稼働する「品質マネジメントシステム」への恒久的な組み込みが必要です。堅牢な文書体系を土台とした既存マネジメントシステムを用いる産業では、この点が障壁となり効果的な活動が行われていない事例を見受けます。

 本講座は「リスクマネジメントを推進」するための基礎知識/技術を学ぶための「上級管理者層、品質保証/品質管理担当者、製造管理責任者/リーダー、教育担当者向け」新設コースです。
 リスクマネジメントに対する基本フレームワークと各ガイドラインの要求事項をまとめ、実際の事故事例を元にしたケーススタディに取組むことで実践的学びの機会を作ります。また、管理が難しいとされるヒューマンエラーの発生因子と防止へのアプローチについてまとめ、実現場管理へのフィードバックを図ることを目的としています。

   ・リスクマネジメントの基礎を学びたい
   ・ISO 9001:2015 「6.1リスク及び機会への取組み」の活動を強化したい
   ・要求事項への適応へ向けて、具体的な活動が出来ていない
   ・ヒューマンエラー対策への切っ掛けが欲しい

などのご要望の方はぜひご参加ください。

  開催 : 2017年04月18日(火) 12:45~受付 13:00~17:00(終了予定)
  会場 : 東京駅サピアタワー 9F 関西大学 東京センター会議室
 参加費 : 講座 ¥20,000-(税別) 
お申込み : 専用フォームhttps://www.kea-mgt.com/semientry/

コース セミナー 時間
MG/QA リスクマネジメント導入の基礎とヒューマンエラーの理解

13:00~17:00

   -1. リスクマネジメントとは何か
   -2. リスクアセスメント技法と実践
   -3. ケーススタディ(グループワーキング)
   -4. ヒューマンエラー因子の理解とエラー防止へのアプローチ

※:本講座は最小開催人数が設定されています
※:当日進捗により終了時間が延びる可能性がございます。お帰りには余裕を持ってご参加下さい

<セッション詳細>

-1. リスクマネジメントとは何か

 近年「リスクマネジメント」という表現を多く見聞きするようになりました。品質マネジメントシステム要求規格であるISO 9001は2015年版改定において「6.1 リスク及び機会への取組み」として独立項目に格上げされました。また、リスクマネジメントの原則及び指針であるISO 31000内では「リスクマネジメント:リスク(目的に対する不確かさの影響)について、組織を指揮統制するための調整された活動」と定義されています。しかしながら、実際この定義を反芻しても「そもそも何なのか」「具体的にどのような活動をすれば良いか」「メリット/デメリットは」と多くの疑問へと繋がる場合があります。
 本項ではISO 9001:2015と各ガイドライン記述を読み解き、「リスクマネジメントとは何か」に焦点を当て、必要条件、活動範囲、活動プロセスなどを分かり易くまとめます。

-2. リスクアセスメント技法の理解と実践

 リスクマネジメントを推進するうえで最も核となる部分は「リスクアセスメント」です。この項目は、簡易表現に置き換えると「存在するリスクを見極め、対応する最適な方法を決めるための活動」になります。アセスメント手法そのものは目的や適応システムに応じて幾つかに分類され、一般的な物から各産業独自の物まで様々な種類があります。
 本項ではリスクアセスメント種類と基本アプローチを学び、製造現場/プロセスの模擬事例を用いた実践を行います。
(アセスメントにはFMEA:故障モード影響解析、HACCP:危害分析重要管理点、FTA:故障の木解析などを実践予定です)

-3. ケーススタディ(グループワーク)

 実際に発生した事故事例情報を基にして、リスクマネジメントの枠組みを用いたグループワークを行います。
 再発防止に関して必要となる活動と期待される成果をまとめ、相互アウトプットします。

-4. ヒューマンエラー因子の理解とエラー防止へのアプローチ

 ヒトは大小様々な間違い(ヒューマンエラー)を起こします。このエラーはリスクマネジメント上でも管理が難しい項目として取り扱われています。
 近年、ヒトの所動作が人命へ直接に関わる産業ではリスクマネジメント活動の本域が「マニュアル/チェックリスト等の整備」から「ヒューマンエラー対策」へと移行しつつあります。重要となるのは「エラー発生を防ぐための予防的アプローチ」と「エラーの発生時に重篤な問題に繋がるかを迅速に判断/対応すること」です。このためにはヒューマンエラーの発生因子を正しく理解して、それに対応したアプローチを予め取る必要があります。
 本項では、ヒューマンエラー発生の因子についてまとめ、他産業において利用されているエラー防止のためのフレームワークを説明します。