パーソナルハイジーン 個人衛生の基礎と教育訓練による定着運用
衛生管理は、自分自身と身の回りの衛生について注意深い意識を持つことから始まります。これは製造現場に携わる要員の前提条件であり、「何が清潔であり」「何が不潔であるか」の正しい認識を身に着けることが必要です。特にクリーンルームではヒトが最大の汚染源になるため、この認識は個人ではなく組織全体として持つことが求められます。
本講座は、製造エリアに従事する全要員が持つべき基本知識/技術として、パーソナルハイジーン(個人衛生)に焦点を当て構成したコースになります。
パーソナルハイジーンの位置付けと管理必要項目、管理エリア入工時に必要な心構え、適切な手指衛生管理、更衣の管理方法、エリア内の行動規範など、具体的な衛生管理項目までについてデータ/事例を含めて解説します。GMP対象区域、清潔管理エリアにおける個人衛生の構築、人由来汚染要素を最小限に抑えるための基礎構築に最適なコースです。
なお、手洗い方法、無塵衣へ更衣時注意点などの動作については一部O-JT形式を含めて説明します。
開催 : 2016年11月10日(木) 受付は13:15~
会場 : 富山国際会議場 206会議室
参加費 : ¥10,000- (早期お申込み割引¥9,000-)、1拠点2名様目から¥7,000-
お申込み : ホームページ専用フォームhttps://www.kea-mgt.com/semientry/
コース | セミナー | 時間 |
基礎 | パーソナルハイジーン 個人衛生の基礎と教育訓練による定着運用 |
13:30~16:30 |
-1. パーソナルハイジーンの基礎 | ||
-2. エリア入場時の習得動作 | ||
入場前提条件、手指衛生管理、更衣手順及び管理 | ||
-3. エリア内部の行動規範 | ||
-4. 運用と定着に向けての活動 | ||
個人衛生に関するモニタリング、ヒューマンファクターと教育訓練 |
<セッション詳細>
1. パーソナルハイジーンの基礎
衛生管理の概念は製造現場に携わる要員の絶対的前提条件です。「何が清潔であり」「何が不潔であるか」を適切に判断できるだけでなく、自らが汚染源とならぬよう衛生管理に関する基本知識と技術/行動についてを習得する必要があります。本項では国内外のGMP記載をはじめとするパーソナルハイジーンの位置付けと必要管理項目について解説します。
2. エリア入場時の習得動作
・入場の前提条件
製造エリアへの入場時は前提条件として幾つかの確認事項があります。大きくは、持ち込み品の定義/疾病の有無/化粧類など個々人の自己申告により守られる要素、製造エリア入場に関する事前教育訓練/力量確認の要素の2つに分けられます。これらの基本的項目についてまとめます。
・手指衛生管理
手指は個人衛生に関わる領域で最も汚染を蓄積/拡散させる可能性のある部位です。基本となる手洗い方法は慣例方法が多く、適切な動作により行われていない事例が多々あります。本項ではWHOにおける手指衛生ガイドライン準拠方法の解説、実際の手順についてO-JT形式による確認を行います。また、微生物汚染の影響を考慮したグローブ類の着脱方法についても説明します。
・更衣手順及び管理
エリア入退場時における無塵衣の着衣/脱衣は、自身からの汚染を最小限にとどめ環境下の汚染を引き込まない様に配慮した方法が求められます。無塵衣の着脱方法のポイント、更衣の管理点、汚染可能性がある部位について微生物データを併せて説明します。
3. エリア内部の行動規範
クリーンルーム内における行動は自身が汚染源とならぬよう考慮しなければなりません。特に高い清浄度エリアでは、不用意な行動、何気ない動作は時として汚染拡散につながるため注意が必要です。エリア内の行動規範における基本ポイントについて説明します。
4. 運用と定着に向けての活動
・個人衛生に関するモニタリング
塵埃や微生物などの汚染は目視確認が困難であることから、実際の管理状況を評価することが難しい特徴を持ちます。従事者に取って汚染状況を自覚する機会が少ないことは望ましくありません。定期的なモニタリングをベースに、環境微生物モニタリング結果と合わせた相互考察を行い、現場へフィードバックすることで衛生意識を維持することができます。個人衛生に関連するモニタリングの種類、設計、データ考察について説明します。
・ヒューマンファクターと教育訓練
品質マネジメントシステム運用/定着の最重要点は、従業員を対象とする「教育と訓練」です。教育訓練は「教:既知の真理・知識」「育:はぐくむ、可能性を見出す」「訓:コーチング、さとす、ささえる」「練:反復、くりかえす」という4要素に分解されます。これを基本として、内部/外部人的資源の職務範囲に対応した教育プログラムを構築/運用、効果を確認し続けることが必要です。各項の内容を教育訓練プログラムとして落とし込むための計画案について説明します。