GxP/QMSのためのヒューマンエラー/認知バイアスの理解と対策アプローチご参加の皆様へ(講師あとがき)
この度はお忙しいところ私たちのセミナーにご参加いただき有難うございました。アサインメント付き講座の都合、事前準備へのご協力も感謝いたします。今回のテーマは薬機法(特にGMPやQMS)の範囲において「ヒューマンエラーにどのように対応するべきか」について基礎部分からフォーカスしたものでした。ヒューマンエラー対策に先行する他産業事例を含めて「エラーの識別/分類/対策へのフレームワーク」などをできるだけ解り易く、+ケーススタディを併用することで参加型の学びの機会としてまとめました。
緑色表紙の添付資料は多くの情報を含んでいます。当日は詳細説明に時間を取ることが出来ませんでしたが、是非再度の確認をして下さるようお願いします。また、日常の中で目に入る「品質に関する問題」「ヒューマンエラーに関連すると思われる問題」について今回の学びのフレームワークを活かし、識別/当て嵌めるような思考を継続してください。
システムの中に明確なヒューマンエラー対策が含まれていない産業では、地道ではありますがひとつひとつ事例を積み重ね、解析して、傾向を掴んでいくことが唯一の道と考えます。
なお、医薬品異物混入事例にて私が用意したピラミッドストラクチャーによる結論は、論理的思考というアプローチにより展開されています。論理的思考を使いこなすことで「思考を可視化して」「コミュニケーションにより他人へ伝達することが可能」となります。これはバイアスを抜けるために有用なアプローチであり、ヒューマンエラー対策の基本力量と言えます。(論理的思考については、GMP/QMS分野に対応した複数回の専用トレーニング講座を運営しています。ご興味のある方は事務局までご連絡ください)
また、画面のみで共有しました「ヒューマンエラー対策事例」の中にある多変量解析(デンドログラムや系統樹と言います)のコメントをアンケートにて数点頂きました。
エクセル等で書かれる方もいらっしゃいますが、今回の事例では系統樹描写用のフリーソフトを使用しています。各事象を+とーに置き換え、因子を積み重ねることで類縁性を計算/出力しています。別途、共起ネットワーク解析など有用的に利用できるアプローチもありますが時間の都合スキップさせて頂きました。SHELLモデルをオランダ航空が考え出したように、東電がSAFERを考えたように…、新しいアプローチはこれからも必ず出てきます。皆さんも情報の吸い上げ/可視化/分類など、自社企業が持つ視点でチャレンジしてみてください。
最後に…
半日という短い時間ではありましたが、有用な気付きや学びはありましたでしょうか?
業務へ還元することを意識して、振り返りは時間を置かず必ず行いましょう。
皆様とまたどこかでお会いできるのを楽しみにしております。KEA management 担当講師 小山