GxP/QMSのための微生物学/管理の基礎トレーニング① ~微生物管理の包括的理解~
ご参加の皆様へ

◆ 講師あとがき

今回は「微生物学/管理の基礎トレーニング①」にご参加いただき有難うございました。
講師を担当しましたキアマネジメントの小山です。
本講座は「微生物の基礎理解」「クリーンルームにおける微生物汚染要素」「微生物モニタリングプログラム」の基礎を学ぶことにより、微生物管理のための活動と要求事項の習得を目的として創業時より継続している定番コースとなります。

ご参加の皆様は「微生物を管理する」という職務において同じ方向をお持ちと思います。
この中で社外や他産業の方々と「ケーススタディ」を通して意見や考えを共有/交換出来たことは良い学びの機会になりましたでしょうか?

微生物管理は簡略化すると以工程に分解することが出来ます。

前提:クリーンルームは「塵埃」と「微生物」が管理下に置かれる空間
 ・クリールーム内に環境微生物が介在する多様な因子をあらゆる方面から抽出
 ・その環境微生物を基準値内に収めるための具体的な活動(4原則含む)を可視化/推進
  (持ち込まない/広げない/堆積させない/定期的に排除する)
 ・基準値/管理下であることを客観的視点において確認(バイオバーデン+モニタリングプログラム併用)
 ・これら一連工程を文書化
 ・これらの活動を品質マネジメントシステムに組み込み永続的に管理下に置き続ける

妥当性のない環境微生物モニタリングは、定点+定サイクル+定条件において検出される微生物数をカウントしているに過ぎず、存在しうる微生物汚染を能動的に測定している訳ではありません。

この部分は22年度に新しく定義された「CCS:汚染管理戦略」の理解を深めることでより明瞭になるかと思います。微生物管理は汚染管理戦略として組織的活動を含む「マネジメントシステム」へと統合されることが示されており、今後は「無菌医薬品」だけでなく微生物管理が要求される各分野へと水平展開されていくと考えます。

本日の内容はこれらのエッセンスを出来る限り解り易く/具体例を含めてまとめた基礎編でありました。

皆様、新しい気付きや問題提起はありましたか?
自らの職務と連動して、今出来ていること/今後必要なことなど、ぜひまとめてみてください。

◆ トレーニング①後に受講を推奨する講座

微生物識別のための専門的アプローチ/より深い微生物学的考察付与が必要な方は、
・45回 トレーニング②~環境検出微生物の分類と同定/検索/メタデータベースの利用/傾向解析~

バイオバーデンを含むモニタリングプログラムの設計やバリデーションが必要な方は、
・47回 トレーニング③~バイオバーデンの理解とモニタリングプログラム構築~

の継続受講をご検討ください。どちらもe-ラーニングなどでは学ぶことが難しい、複数のケーススタディやアサインメントによる思考の時間を設定、これらにチャレンジすることで受講後に具体的活動へ転換できる内容として構成しています。(微生物管理の基礎力量は①~③を全履修すること推奨しています)

また、微生物管理を具体的な活動へと転換するにあたりCCSの概念を利用する場合、微生物管理担当者の職務を明確にするためには本年度からの新設講座、
・48回 汚染管理戦略CCSの基礎とMicrobiologist(微生物管理担当者)が担うべき責任と役割

の受講をお勧めします。

※:各講座名のリンク先パスワードは
私たちからのご連絡メール末尾に記載があります「KEA*******」にて閲覧可能です

 

アンケートにてフォローアップご希望とご記入頂きました者様には、お近くお伺いの際に改めてご連絡させて頂くことがございます。
お時間のご調整が付くようでありましたら、是非セミナーのご感想やご意見、微生物管理に対する疑問や悩みなどお聞かせいただけますと大変有難く思います。

2024.08.22
KEA management 小山

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